黄色と茶色を混ぜてみたのに、思っていた黄土色にならなかった。
暗くなりすぎたり、ただの茶色っぽい色になってしまったり
……そんな経験はありませんか?
・黄土色って、そもそも何色と何色を混ぜればいいの?
・三原色だけで作ることはできる?
・少し混ぜただけで色が変わりすぎて失敗してしまう
・絵の具で作ると、教科書の色と違って見える
黄土色は一見シンプルな色に見えますが、混色のバランスを間違えると、思った色から大きく外れてしまいやすい色でもあります。
そのため、自己流で作ろうとすると「なんだか違う…」と感じる人が多いのです。
この記事では、絵の具で黄土色を作る基本的な考え方から、何色と何色を混ぜればいいのかを、初心者にも分かりやすく解説します。
黄色と茶色を使う一番簡単な方法はもちろん、三原色だけで作る方法や、色が濃くなりすぎたときの調整のコツまでまとめました。
「今すぐ黄土色を作りたい」「失敗せずに近い色を出したい」という方でも、この記事を読みながら混ぜれば大丈夫です。
自分の使っている絵の具に合わせて、一番作りやすい黄土色の作り方を見つけていきましょう。
黄土色とは?どんな色かを簡単に解説

黄土色は、黄色をベースにしながら、茶色や赤みがわずかに混ざった、自然で落ち着いた印象の色です。
派手さはありませんが、土や砂、木、肌の影などを表現するのに非常に使いやすく、絵全体をなじませる役割も果たします。
原色のような強い主張がないため、背景色として使っても他の色を邪魔しにくいのが特徴です。
特に学校の図工や美術の授業では、風景画の地面や道、人物画の影、動物の体色など、さまざまな場面で黄土色が登場します。
しかし、絵の具セットに必ず入っている色ではないため、「自分で作らなければならない色」として苦手意識を持つ人も少なくありません。
ただし、黄土色は作り方の考え方さえ分かれば、特別に難しい色ではありません。
いくつかの基本パターンを知っておくだけで、目的に合った黄土色を安定して作れるようになります。
黄土色と茶色・ベージュとの違い
黄土色は、茶色ほど暗く重たい印象ではなく、ベージュよりも黄みと深みがある中間的な色です。茶色をそのまま使うと画面全体が暗く沈んでしまうことがありますが、黄土色であれば柔らかさを残したまま落ち着いた表現ができます。
一方で、ベージュは白が多く含まれるため明るくなりやすく、影や立体感を表現するには少し物足りない場合があります。
このように、それぞれの色の役割を理解しておくと、「なぜ黄土色が必要なのか」「どの程度の濃さを目指せばよいのか」がイメージしやすくなります。
黄土色の作り方はこの3パターンが基本

黄土色には「これが正解」という唯一の配合はありません。
使っている絵の具の種類や、目指す黄土色の明るさ・濃さによって、最適な作り方は変わります。
ここでは、初心者でも再現しやすく、失敗しにくい3つの基本パターンを紹介します。
作り方① 黄色+茶色で作る方法(一番簡単)
もっとも手軽で、初心者におすすめなのが黄色と茶色を混ぜる方法です。
まず黄色を多めにパレットに出し、そこへ茶色をほんの少しずつ加えていきます。
茶色は色の影響が強いため、最初は爪楊枝や筆先に少量つける程度で十分です。
黄色をベースにしているため、多少混ぜすぎても極端に暗くなりにくく、調整がしやすいのがこの方法のメリットです。
学校用の絵の具セットなど、すでに茶色が入っている場合は、まずこの作り方を試すとよいでしょう。
短時間でそれらしい黄土色を作れるため、工作や宿題など、あまり時間をかけられない場面でも実用的です。
作り方② 三原色で黄土色を作る方法
茶色の絵の具がない場合でも、三原色(赤・青・黄)を使って黄土色を作ることができます。
まず黄色を多めに出し、そこへ赤を少量混ぜて、オレンジ寄りの色を作ります。
その後、青をほんのわずかだけ足すことで、彩度が落ち、黄土色に近づきます。
この方法で特に注意したいのが青の量です。
青は少し入れただけでも色の印象を大きく変えてしまうため、入れすぎると一気にくすんだ色や緑がかった色になります。
必ず少量ずつ混ぜ、途中で色を確認しながら進めましょう。
三原色だけで作れるようになると、絵の具の種類が限られている場面でも対応できるため、覚えておくと便利な方法です。
作り方③ 茶色から黄土色に近づける方法

すでに作った茶色が濃すぎた場合や、市販の茶色をそのまま使うと暗く感じる場合は、黄色を足して黄土色に近づける方法がおすすめです。
茶色を少量取り、黄色を少しずつ混ぜることで、明るく柔らかい色合いに調整できます。
この方法は、絵を描き進める途中で「少し重たい」「暗すぎる」と感じたときの微調整にも向いています。
全体を塗り直す必要がなく、部分的な修正ができるのもメリットです。
絵の具で黄土色を作るときのコツと注意点

黄土色は微妙な色合いだからこそ、混ぜ方によって仕上がりに差が出やすい色です。
ここでは、失敗しやすいポイントと、その対処法を詳しく解説します。
黄土色が暗くなりすぎる原因
黄土色が暗くなりすぎる主な原因は、茶色や青などの暗い色を一度に入れすぎてしまうことです。特に三原色で作る場合、青は影響力が非常に強いため、ほんの少量でも色が一気に沈んでしまいます。
対策としては、必ず明るい黄色をベースにし、暗い色は後から少しずつ足すことです。
一度暗くなりすぎると戻すのが難しいため、慎重に調整しましょう。
黄土色が薄い・黄色っぽいときの調整方法
出来上がった色が黄色っぽく感じる場合は、赤や茶色をほんの少し足すことで、落ち着いた印象になります。
赤を加えると温かみのある黄土色に、茶色を加えると自然な土色寄りになります。
このときも、一気に混ぜるのではなく、少量ずつ調整することが大切です。
少しずつ混ぜるのが失敗しないコツ
混色で失敗しない最大のコツは「少しずつ混ぜる」ことです。
最初から多くの色を混ぜてしまうと、修正が難しくなります。
パレットの端で試し混ぜをしてから、本番用の絵の具に使うと、失敗を防ぎやすくなります。
くある質問|黄土色の作り方Q&A
黄土色は何色と何色を混ぜればいい?
基本的には黄色と茶色を混ぜるのが、もっとも簡単で失敗しにくい方法です。黄色を多めにして、茶色を少しずつ足していくことで、暗くなりすぎるのを防ぎながら黄土色に近づけることができます。特に初心者の場合は、この組み合わせから試すと安心です。
茶色の絵の具が手元にない場合でも、黄色をベースに赤と青を少量ずつ混ぜることで、黄土色に近い色を作ることができます。赤で温かみを加え、青で彩度を落とすイメージを持つと調整しやすくなります。いずれの場合も、色は一気に混ぜず、少量ずつ確認しながら進めるのがポイントです。
水彩絵の具でも同じ作り方でいい?
水彩絵の具でも基本的な作り方は同じですが、水の量によって色の見え方が大きく変わる点に注意が必要です。水を多く含ませると、混ぜた直後は濃く見えても、乾いたときに想像以上に薄く感じることがあります。
そのため、水彩の場合は少し濃いめに色を作っておき、塗りながら水で薄めて調整するのがおすすめです。乾いた後の色味を意識して作ることで、仕上がりのイメージとズレにくくなります。
市販の黄土色絵の具を使った方がいい場合は?
色を正確にそろえたい場合や、作品全体で同じ黄土色を何度も使う必要がある場合は、市販の黄土色絵の具を使う方が安定します。特に時間が限られている制作や、色ブレを避けたい場面では既製色が便利です。
一方で、簡単な制作や一時的な使用であれば、混色でも十分対応できます。自分で色を作ることで微妙なニュアンスを調整できるため、表現の幅が広がるというメリットもあります。
まとめ|自分に合った黄土色の作り方を選ぼう
黄土色は、一見むずかしそうに感じますが、基本の考え方さえ押さえれば特別な技術がなくても作れる色です。もっとも簡単なのは、黄色をベースにして茶色を少しずつ混ぜる方法で、初心者でも失敗しにくく、短時間でそれらしい色合いに仕上がります。茶色が手元にない場合でも、三原色を使えば黄土色に近い色を作ることができ、色の仕組みを理解する練習にもなります。
また、すでに作った茶色が暗すぎると感じた場合は、黄色を足して調整することで、柔らかく自然な黄土色に近づけることができます。いずれの方法でも共通して大切なのは、暗い色を一気に入れないことと、必ず少量ずつ混ぜながら色を確認することです。パレット上で試し混ぜを行い、理想の色に近づけてから使うことで、失敗を大きく減らせます。
使う絵の具や目的によって最適な作り方は異なりますが、今回紹介した3つの方法を知っておけば、多くの場面で対応できます。自分が描きたいイメージに合わせて調整しながら、納得のいく黄土色を作ってみてください。
絵の具以外で黄土色を作る方法

黄土色は絵の具だけでなく、ネイルや色鉛筆を使っても作ることができます。
ネイル
通常のマニキュアでは黄土色を直接作ることは難しいですが、黄色と茶色を組み合わせることで同じように黄土色を表現することが可能です。
色鉛筆
水彩色鉛筆が使いやすいです。
黄色をベースに少しずつ茶色を加え、水を含ませた筆でぼかしを入れた後、軽く紙で拭き取ると自然な仕上がりになります。
通常の色鉛筆でも黄土色を作ることは可能ですが、色を重ねる技術が必要です。
色を重ねることで柔らかな温かみのある色合いを出すことができます。
黄土色のジェルネイルは非常におしゃれでスタイリッシュです。
黄土色に近い2色の作り方を紹介

黄土色とよく似た色は数多く存在しますが、ここでは選りすぐった2色の作り方をご紹介します。
からし色の作り方
黄色を基調に、青色と赤色を少しずつ加えます。
琥珀色の作り方
黄色をメインに、赤色、青色、少量の黒色を混ぜ合わせます。
からし色や琥珀色の他にも、きつね色やアンバーなど、似たような色が非常に多いです。
様々な色の調合に挑戦して、色作りの楽しさを感じてみてください。
私たちの周りの黄土色のものたち

黄土色は自然界や日常生活でよく目にする色です。
以下に、黄土色の代表的な例を挙げます
- 落ち葉
- 木
- 土
- 動物の毛
- 黄砂
- 制服
- 着物
- 洋服
この色はアースカラーとして知られており、自然に関連するアイテムだけでなく、最近ではファッション界においても重要な色として取り入れられています。
着物や洋服で使われることが多く、とてもおしゃれとされています。
また、黄土色は安定感や暖かさを感じさせる色であり、そのためにいくつかの学校では制服にも採用されています。
まとめ
黄土色は黄色、赤、黒を組み合わせて自分で作ることができます。
既存の色を使うよりも自分で調合する方が、自分好みに仕上げやすく、作品の個性も際立ちます。
この記事で紹介した色の組み合わせを試しながら、オリジナルの作品をぜひ作ってみてください。

