世界に広がる「こたつ」の文化

こたつは日本特有の風物詩とされていますが、実は他国でも愛用されていることがあります。

この記事では、世界中でのこたつの利用状況と、それに纏わる文化的背景について詳しくご紹介します。

世界各地でのこたつの風景

日本では冬の風物詩として、こたつでみかんを楽しむのが定番です。

ところが、日本以外にもこたつを楽しむ国があることがわかりました。

その一例としてイランが挙げられます。

地理的には中東に位置するイランは、日本からは遠いですが、緯度が似ており気候が類似しているため、寒い時期にはこたつで暖をとることがあります。

イランではこたつを「コルシ」と呼び、その使用法は日本と似ています。

イランの人々も、コルシを囲んでみかんや他の果物を楽しむという習慣があります。

さらに調査を進めると、イラン以外にも以下の国々でこたつが用いられていることが明らかになりました。

これらの地域では古くからこたつが親しまれており、最近ではアメリカを含む他の国々でも日本のこたつに注目が集まっています。

こたつはエアコンに比べて電気代が安く、乾燥しづらいため、寒い季節には最適な暖房器具と言えるでしょう。

これから世界各地で「冬はこたつでみかん」という生活が広まるかもしれません。

こたつは室町時代に誕生しました。

その初期形態は、囲炉裏の上に板を設置し、その上に布を掛けて暖を取るスタイルでした。

時が流れるにつれ、「やぐらこたつ」というスタイルが登場しました。

これは囲炉裏の上に枠を設け、そこに布団を掛ける形式で、移動可能な火鉢を使うバリエーションもありました。

明治時代に入ると、現在も多くの家庭で親しまれている「掘りごたつ」が普及し始めました。

一方で、電気こたつは大正時代に導入されましたが、初期は他の暖房器具との競争で普及が遅れました。

日本の伝統的な住宅は、障子やふすまを用いて高い通気性を保ち、夏は涼しく過ごすことができます。

しかし、この高い通気性が冬場にはデメリットとなり、暖かい空気が外へ逃げてしまうことがあります。

そうした状況では、部屋全体を暖めるよりも、こたつのように局所的に暖める方が効率的です。

こたつは小さな空間をすぐに暖めることができるため、冷えがちな日本の住宅には理想的な暖房方法です。

近年、日本の家庭でこたつを使う割合が減少しています。

これは、住宅の気密性や断熱性が向上し、家全体が以前より保温されやすくなったためです。

現代の住宅では隙間風が少なく、エアコンや床暖房などの最新の暖房設備により、室内は十分に暖かく保たれるため、こたつが必要な場面が減っています。

こたつは一般に日本独自の文化とされますが、実はイランでは「コルシ」として、またアフガニスタン、スペイン、トルコ東部では同様に使用されており、これらの地域でも冬の寒さを和らげる手段として親しまれています。

日本では昔からの家屋の構造が冬の寒さを感じやすくすることから、こたつが効率的に暖を取る手段として普及しました。しかし、現代では高気密・高断熱の住宅が主流となり、こたつの使用は減っています。

それでも、冬にこたつでみかんを食べながらゆっくりと過ごす光景は、多くの日本家庭で依然として愛されています。

イランでは、家族がコルシを囲んで冬の楽しみ方として集まる習慣があります。これは、日本の「寝正月」に似た、家族でのんびりと過ごす時間があるかもしれません。

このような文化的な共通点は、異なる文化間のつながりとして非常に興味深いものです。